八柱駅近くの人が集まるカフェ「OneTable」誕生ストーリー

八柱駅近くの人が集まるカフェ「OneTable」誕生ストーリー

先日お邪魔した松戸市八柱の「One Table」というカフェ。お話しをしていると、このカフェができるまでには素敵なストーリーがあるとのこと。気になったので、後日改めてインタビューに伺わせていただきました。
 
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お話を伺ったのは、このカフェの発起人である大畠稜司建築設計事務所の大畠稜司さん、omusubi不動産の殿塚建吾さん、teshigotoの古平賢志さんの3名。皆さんが笑顔で話す言葉から、人と人との繋がりを大切にされている熱い想いを感じました。
 

写真左から、古平さん、大畠さん、殿塚さん。
 
 

みんなの集まる場所が欲しい、そのために自分たちで作ったカフェ

 
——どのようなきっかけで「One Table」というカフェが作られたのですか。
 
大畠さん:2015年末、この場所でやっていたお好み焼き屋さんのご主人が亡くなって、テナントが空いてしまったんです。そして、前からこの辺りにカフェができたらいいな、集まれる場所が欲しいなと思ってたんですね。でも、待っているだけじゃだめだなと思って、ある時決断して、一人でカフェを始めようとしたんです。
 
殿塚さん:いきなり「俺、カフェやろうと思うんだけど」と言い出したので、必死に止めました(笑)みんなの希望ではあったけど、大畠さん一人でやるのはリスクが高すぎる。だから、みんなでお金を出し合って、それぞれ得意なことをやって、一緒に始めようということになりました。
 
それからコーヒーを淹れられる人、飲食に強い人を探していて出会ったのがteshigotoの古平さんです。もともと不動産屋のお客さんだった付き合いで、一緒にプロジェクトをやったりもしていて。3人で進めていくことは最初に決めたけど、コンセプトや方向性をどうするかなどは夜に集まって半年くらい練っていきましたね。
 
それから大畠さんはお店のデザイン、僕は大家さんに賃料など交渉しに行ったり。そうして2016年8月最後の週末になんとかプレオープンさせることができたんです。
 
——カフェの運営自体はどのようにされていたのですか。
 
大畠さん:最初は日曜日と月曜日だけの週2日制でteshigotoの賢志がやっていました。2017年になって、身近にカフェをやりたい人がいないかなと思って声をかけたり、一般募集もしたりするようになって。それで話してみたら、実は共通の知人がいるなど繋がりのある人が多かったですね。
 

 
古平さん:僕自身は、もともと松戸駅近くの古民家を間借りして週に2回カフェをやっていたんですよ。日常的に使いやすいカフェがあんまりなかったので、やれる範囲でやりたいなと思って始めました。ちょうど1年くらい経ったときに、声をかけてもらったので経験も生かしながら、お店の仕組みやコンセプトづくり、お客さん集めも兼ねて自分でお店に立とうと思っていました。
 
——お客様も身近な方たちがいらっしゃることが多いですか。
 
殿塚さん:最初に古平さんがお店に立ち始めた時は身近な人が多かったですね。それからSNSでの発信を頻繁に行うようになって、わざわざ東京や神奈川から来てくれる人が増えました。Instagramを見て来店される方が多いですよ。
 
最近では、ここでコーヒーを飲んでてomusubi不動産を知って、自分のカフェのオープンをしたくてお店を借りにきてくれた人もいらっしゃるので繋がりに驚いています。
 
古平さん:オープン期間まで時間があったから興味を持ってくれた人たちがたくさんいて、最初は地元のお客さんも多かったですね。近所の人たちには「週に2回じゃなくて、もっとやってほしい」という要望やお友達を連れて来てくださるお客さんもいました。応援してくれる人と離れていく人がきれいに分かれていきましたね(笑)SNSでの反響も大きくて、やっぱり共感が強い人たちというか、ツボにはまるひとにははまるんだなと思いましたね。
 

 
 

店長は日替わりでも、この場所はひとつだけ

 
——なぜ「One Table」では、日替わり店長制を始められたのでしょうか。
 
大畠さん:立ち上げ当初はTeshigotoが日曜と月曜を開けてくれてたんですけど、他の曜日はシャッターが閉まっている状態だったんです。シャッターが閉まっていてももったいないし、お店に明かりが灯らないと街が明るくならないので、一先ず自分たちの周りで小商いをしたい人がいないか声をかけて。毎週土曜日はイベントもしたいし、自主運営に切り替えようと思っていたので。そこで土曜日にスタッフとして手伝ってもらっていた人たちが、自分でもお店を始めたがっているという話を聞いて。別の曜日で別屋号で始めてもらうような形になりました。焙煎機を持参して自家焙煎のコーヒーを淹れたり、フードにもこだわっていたり。
 
殿塚さん:お店を借りたいという方がいたら、最初に企画書などを見せてもらって、その後トライアルとして他の曜日でお店に立ってもらいます。それから双方の意見を元に、正式に出店するかどうかが決まります。また、お店を構えるかどうかは別としても、自分の屋号でやりたい意思がある人とは、きちんと目標ややりたいことなどを詳しく話しをすることにしていますね。屋号としては、それぞれ別かもしれないけど、この場所に来たっていうお客さんからの印象は一緒なので。例えば、たまたま土曜日が素人の人がやっている日だったとして、そこで飲んだコーヒーが美味しくなかったら、他の日にも来なくなっちゃう。そのラインは担保できるようにしたいし、各曜日の方が別の曜日の方に教え合ったりしてくれていて、とてもありがたいですね。
 

 
古平さん:面白いなって思ったのが、広めてくれる人って飲食店やってる人が多いんですよ。立ち上げの時に、関係者伝えで柏や我孫子の若手飲食店経営者たちがお客さんとして来てくれて。日替わり店長の仕組みや目的を話すと、すごく共感してくれて。柏や我孫子も抱えている問題が似通っているので、解決するための実験的な方法として捉えてくださることが多いですね。
 
実際には、僕らも悪戦苦闘しながらやってるんですけど、傍から見たらうまくいっているように見えているんだと思いますね。最初は何かの参考になるんじゃないかと思ってきてくれた方が、このお店をきっかけに新しいことを始めてくれているのを見ると、とても嬉しいです。
 
 

街の魅力は、そこに住む人の魅力だと思う

 
——もともと街づくりなどに興味をお持ちだったのですか。
 
大畠さん:ずっと設計の仕事をしているのですが、震災が起きたときに建築という仕事でできることってあんまりないなと思ったんです。そんなときに、メディアで山崎亮さんを見て、コミュニティデザインの仕事を知りました。早速、山崎さんの講座に参加して、地域で活動している人から話を聞いたり、知り合った仲間たちとプロジェクトを立ち上げたりしてSNSを使った発信をしていました。
 
でも、情報発信だけだと物足りなくなってきてしまって。各地の食材などを紹介しながらお酒が飲めるような場所があるといいよねって話してたんです。だからこんな場所が欲しかった。それもカフェをやりたかった理由の一つなんです。今はこの場所で、土曜日に各地のものを紹介するイベントをやっていますよ。もう少しイベント開催の数も増やしていきたいなと思っています。
 

 
 
古平さん:僕がやってる営業日でも、付き合いのある生産者の食材だったり、作家の器だったりを紹介しています。それで実際に浸透してった人もいるし、ここでお客さんと向き合えたことをきっかけに、別の場所で出店する人がいたり。OneTableの場所や機能で、人と人との繋がりが生まれているんだなと思いますね。これからこの仕組みを同じ悩みを抱える街などで展開できないか、というのは考えますね。
 

 
殿塚さん:僕は、ここが地元で。正直言うと松戸はあんまり好きな街じゃなかった。超つまらないから、早く出たいなと思ってて(笑)震災をきっかけに戻ってきて、地元の会社で不動産部門を立ち上げて独立した。どうせ嫌いな街だから、好きに動こうと思っていろいろやっていたら、知り合った人たちがみんないい人で。僕の愛着は街にあるというよりも、そこにいる人たちなんだなと思いますね。地元の純喫茶の変なおばちゃんとか、飯がまずい飲み屋さんとか、地元の祭りを盛り上げる人とか。その人たちがいるから住んでるんです。困った時には誰か助けてくれるような安心感がすごくある。
 
大畠さん:自分も小学校から松戸にいて、地元の遊び仲間はみんなここにいる。だから落ち着くっていうのもあるのかな。場所で考えると、都内と比べるとあくせくしていないし、緑が多いのが嬉しいかな。
 
 

「One Table」を新しい場の成功事例にしたい

 
——今後はどのようなことに取り組んでいかれたいですか。
 
大畠さん:このお店をきっかけに、もっと繋がりを大きくしたいと思いますね。まずは松戸の食材を使った料理やマルシェもやってみたいです。以前、設計させていただいた鍼灸院の先生のご自宅にゲルを建てたんですね。そのゲルをベースにして、コーヒー屋さんとかケーキ屋さん、パン屋さんを呼んでマルシェみたいなものをやったんです。そういう人が集まる場所をもっと作りたいと思いますね。
 
古平さん:僕も生産者に直接会いに行けるとか情報集約できる場づくりに力を入れてやっていきたいと思いますね。松戸全体的な話なんですけど、結局、今の松戸の現状としては、何か新しいことを始めたいと思う若い人たちが頑張っても最終的にうまくいった事例がすごく少ないんですよ。だから成功事例を作りたいですね。
 
殿塚さん:まずは各曜日で店長さんをやってくれている人たちにとって、OneTableをもっと使いやすくなる場所にしたいと思いますね。自分の屋号でお客さんに評価してもらって、対価もちゃんと得られる場所として育てていきたいです。いくら企画が面白くても、お店としてはまだまだ不完全なので、それでも一緒にやってくれている人たちって、自分の強い思いがあったり、共感してくれていたりという部分があるからだと思うんです。だから、この人たちの気持ちにもっと応えたいなと思っています。
 
それから、今もわざわざこのお店目当てで足を運んでくれるお客さんがいると言ったんですけど、そういう人がもっと増えて、この場所をきっかけに八柱という場所を知ってもらえたら嬉しいですね。
 
大畠さん:このお店から独立して、近くにもっとお店が増えたら嬉しいですね。今はまだ点なんで、もっと増えて面にしていきたいです。今って八柱にわざわざ来る理由が他にないので、もっとたくさんのお店が増えると良いですよね。
 

 
殿塚さん:僕らでこの辺りのMAPを作ったんですよ。元々あって、僕らがいいなと思っている店もあれば、僕らを通じて新しくできた店もあります。もともと一緒に毎月1回松戸で自給自足を楽しむイベントをやっていたんですけど、そこでオーガニックコーヒーのスローコーヒーさんだったり、オーガニックカムーさんを知って、この八柱という場所に来たいと思ったんです。今、築70年ぐらいの大きい社宅を改造して1階にお店、2階にアトリエを作っているんですが、そこにもカフェが3つと本屋もできるんですよ。パン屋さんやアンティークショップなど、この3年でこの徒歩圏内にだいぶ店が増えてきていますね。
 
これから、もっともっと一緒に住みたくなる人で溢れる街にしたいです。
 
 
▶︎ One Table
 
つくるひとと、たべるひとが、つながる、ひとつの食卓。
団らんの時間の中で、食、地域、カルチャー、コト、モノ、アイデアが交わり、新たな価値が生まれる場所。
 
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